100Base-TX、1000Base-TX、1000Base-Tにおける伝送方式の違い

100Base-TX、1000Base-TX、1000Base-Tにおける伝送方式の違い

100Base-TX

伝送速度が100Mbpsの100Base-TX は、1ペアの信号線を100Mbpsの送信、1ペアの信号線を100Mbpsの受信に割り当て、残る2ペアは使用していません。

100Base-TX イメージ


1000Base-TX

伝送速度が1000Mbpsの1000Base-TXは、1ペアの信号線で500Mbpsのデータの通信を行い、2ペアを送信に割り当て残る2ペアを受信に割り当てます。

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1000Base-T

伝送速度が1000Mbpsの 1000Base-Tは、1ペアの信号線で250Mbpsのデータの送受信を同時に行い、さらに4ペア同時に送受信を行います。

1000Base-T イメージ


クロック・サイクル イメージ

100Base-TXは、MLT-3と呼ばれる符号化方式を採用しています。MLT-3は1クロック・サイクル(125MHz,サイクル時間:8n秒)で、3レベルの電圧を使い1ビット(2値)情報を伝送することができます。しかし、データ4ビットをケーブル上に送信する段階で5ビットに変換し、逆にケーブル上を流れる5ビットデータを受信すると4ビットに変換する4B/5B変換を行っているため、実際の伝送速度は125Mビット/秒の4 /5である100Mビット/秒になります。

これに対し、1000Base-Tは4D-PAM5と呼ばれる符号化方式を採用しています。4D-PAM5は1クロック・サイクル(125MHz,サイクル時間:8n秒)で、5レベルの電圧を使い2 ビット(4値)情報を伝送することにより、1ペアで2倍の250Mビット/秒のデータを伝送することができます。さらに4ペア全てを使うことで、4倍の (250Mビット/秒 × 4本)1000M(1G)ビット/秒の伝送を実現することができます。

1000Base-TXは1000Base-Tと同様4D-PAM5方式ですが、ベースバンド・クロックの周波数が2倍(250MHz、サイクル時間:4n秒)になり、1ペアで500Mビット/秒のデータを伝送することができます。さらに2ペアを送信、残る2ペアを受信に使うことで、2倍の(500Mビット/秒 × 2本) 1000M(1G)ビット/秒の伝送を実現することができます。

1000Base-Tは4ペア全てで送受信を行うため、送受信の回路が複雑になりシステムのコストが高かったため、もっと安価なシステムの開発を目的として新たに1000Base-TXが規格化されました。しかし、ベースバンドが2倍となりケーブルは高周波数特性のCategory6が必要となっています。