パワーバジェットと伝送路の設計について

パワーバジェットとは?

光ファイバーケーブルの最長距離は伝送速度、使用機器、使用するケーブル等によって決定されます。

「パワーバジェット」とは送信器の最低出力と受信器の最低感度の差であり、使用機器の最悪条件を想定した値です。

例えば「送信側:-4~-9.5dBm」「受信側:0~-18dBm」の場合パワーバジェットは、-9.5-(-18)=8.5dBとなります

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伝送路の設計について

パワーバジェットが分かったら、次は伝送路の設計に問題無いか確認します。

例えば、使用する光ファイバーケーブルをマルチモード光ファイバー、伝送距離を200m、コネクタ接続箇所2箇所、スプライス(融着)接続1箇所とし各条件が下記の場合。


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条件

  • コネクタ接続損失:0.5dB/1箇所
  • スプライス接続損失:0.3dB/1箇所
  • 光ファイバー損失:3.75dB/km

コネクタ接続損失:0.5dB×2箇所=1.0dB
スプライス接続損失:0.3dB×1箇所=0.3dB
伝送損失:3.75dB/km×0.2km=0.75dB

となり、光伝送路の減衰量は1.0+0.3+0.75=2.05dBとなります。

よってパワーバジェットの8.5dBを下回っているので問題無いと言えます。

実際には接続損失や伝送損失はもっと小さい値を取るので、余裕のある距離になっているはずです。しかし余裕があるからといってもマルチモードファイバの場合は注意が必要です。マルチモードファイバには帯域といった概念があり、損失よりも帯域で距離が制限される場合があります。

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